
このページを読むとできること
・皆既月食がどうして起きるか、なぜ赤く見えるかが分かる
・3月3日(東京)に、大体いつ・どっちの空を見ればいいかイメージできる
・「どこを見ると面白いか」の見るコツがつかめる
むずかしい計算や専門用語は最小限。理由 → 見方の順で、やさしく説明します。
1)月食のしくみ:月が「地球の影」に入るから
・太陽、地球、月の順でまっすぐ並ぶと、地球の後ろに影ができます。
・月がその影に入ると、月食になります。
・影には二つの部分があり、薄い影(半影)と、濃い影(本影)。
> 月が本影にちょっとだけ入る -> 部分月食
> 本影にすっぽり入る -> 皆既月食
・毎月満月でも月食にならないのは、月の通り道が少し斜め(約5度)だから。ぴったり重なる満月の時だけ月食になります。
つまり皆既月食は、月がゆっくり地球の「丸い影」の中を通っていく出来ごと、ということ。
2)どうして月が赤くなるの?地球の「夕焼けの光」が月に届くから
本影の中は太陽の光が届かないはず。でも地球には空気(大気)があるので、太陽の光が曲がって月まで届きます。
・太陽の光は、地球の空気のふちをぐるっと回り込んで月へ。
・空気の中では、“青い光は散らばりやすく、赤い光は進みやすい”という性質があります(レイリー散乱)。
・だから、月に届くのは赤っぽい光が多くなり、月は赤~オレンジ色に見えるのです。
イメージは「地球を囲む夕焼けのリングが、弱いライトみたいに月を照らしている」。
3)毎回、赤さがちがうのはなぜ?
その時の空気のきれいさで見え方が少し変わります。
・空気がすんでいる -> 明るいオレンジ
・ちり・黄砂・火山のけむりが多い -> 暗めの赤~こげ茶
・明るさはダンジョン指数(L=0~4)で表すこともあります(0がとても暗い、4が明るい)。
自分用のメモに「L=?」「赤の感じ」「ふちが暗い/中心が明るい」などを書いておくと、次の月食がもっと楽しくなります。
4)ここを見てみよう:面白ポイント
・影のふち(本影の境目)
月が丸い影にすべりこむ様子が見られます。地球が丸いことが実感できます。
・皆既中の“色のむら”
大体まん中が少し明るく、ふちが暗いことが多いです。
・星が見えやすくなる
満月の月が暗くなるため、近くの星がふっと見えることがあります。
・明るい->暗い->明るいの変化
部分->皆既->部分の流れで、空の明るさがゆっくり変わるのを感じてみてください。
5)3月3日(東京)の大体の流れ(目安)
※日本時間の目安です。直前に最新の時刻をもう一度チェックしてください。
(半影の変化は、目ではほとんど分かりません)
・半影食開始 ・・・ 17:44 ごろ
・部分食開始 ・・・ 18:50 ごろ
・皆既食開始 ・・・ 20:04 ごろ
・食の最大 ・・・ 20:33~20:34 ごろ
・皆既食終了 ・・・ 21:02 ごろ
・部分食終了 ・・・ 22:17 ごろ
・半影食終了 ・・・ 23:23 ごろ
見る方向と高さ(イメージ)
・夕方~前半は東~南東。
・食の最大のころは南東寄り、高さは30度くらい(ビル3~4階の上を見る感じ)。
6)ちょっとの工夫で、もっと見やすく
皆既月食は空を見上げるだけでも観測できる天体イベントですが、少しの工夫でより楽しめます。
・目を暗さにならす:20~30分はスマホを見ないで待ちます。皆既の赤が見やすくなります。
・まぶしい光を背中側に:街灯を背にして、建物や木で強い光をさえぎるだけでも見え方が変わります。
・双眼鏡があると最高:8~10倍×口径40~50mmくらい。皆既中の赤のグラデーションがよく分かります。
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まとめ:理由が分かると、空を見るのがもっと楽しくなる
皆既月食は、地球の影と空気(大気)のはたらきがつくる、静かな夜のショー。
「なぜ起きる?」「なぜ赤い?」が分かると、同じ空でも見えるものが増えます。
3月3日は、東~南東のひらけた空を探し、あたたかくして外へ。赤い満月がゆっくり姿を変えていく時間を、のんびり味わってみてください。





