北斗七星の大きさはどれぐらいでしょうか?
あなたは夜空を見上げて、北斗七星を見つけようとします。
星空を見慣れている人はすぐに見つけられます。しかし星空をめったに見上げない人や、とても久しぶりに見上げた人は、その感覚がつかめません。
北斗七星を実際に見ると意外と大きいと思いませんか?形は覚えているけれど、実際の大きさはわかりにくいものです。
星と星が見た目でどれぐらい離れているか知るのは難しいですよね。夜空ですから何メートル・・・では表現できません。それではどうやって、距離感をつかめばいいでしょうか?
今回は私達が星空を観測する時に参考になる、星と星の見た目の距離の話をします。
天球を角度で表す「角距離」
天体の見た目の距離を表すのに使われるのは角度です。私達が地上から見上げる夜空は、きれいな半球のドーム状をしています。これを「天球」と呼びます。
そして、天球上の位置を表すには角度が用いられ「角距離」と呼ばれています。
観測者が視線を正面に向けて、そのまま首を動かして真上を見上げます。動いた視線の角度は90度なので、角距離は90度です。
同様に天球上のひとつの星を見つめていて、別の星を見るために自分の首だけを動かすとします。その動いた角度が角距離です。
例えば北斗七星のひしゃくの先端の星から北極星までは、角距離が約30度です。このふたつの星を見比べる際に、視線は30度動いていることになります。
北斗七星の大きさは?
北極星と北斗七星の見かけの距離がわかりました。それでは北斗七星自体はどれぐらいの大きさなのでしょうか?
北斗七星はおおぐま座の一部です。6個の二等星と1個の三等星から成り立っていて、とても目立つ存在です。
北斗七星はひしゃくの形をしていて端から端までの角距離は約25度です。かなり大きいですよね。
また、水を汲む口の部分が約10度で、柄の長さは約15度です。
天に向かって拳を突き上げる!
夜空を見ながら、角距離を測る目安があります。
空に向かって腕を真っすぐ伸ばし、手の部分を見てみます。
拳(こぶし)の最も幅の広い部分が約10度です。親指と人差指をめいっぱい開くと約15度です。手のひらをめいっぱい開くと親指の先から小指の先までが約20度です。グーが10度、チョキ(昔風)が15度、パーが20度ですね。
それでは北斗七星に向かって拳を突き上げてみるとどうでしょ?このポーズでその向こうにある星空を合わせてみると、拳がひしゃくに入るくらいじゃありませんか?
もちろん個人個人によって手の大きさも腕の長さも違います。それでも角距離のおおよその目安になりますよね。
今度、北斗七星を見つけたら、ぜひやってみてください。