太陽の通り道とは?黄道と黄道12星座を天文学的に解説

黄道12星座

あなたは何座?」の質問に多くの人は答えられます。たとえ星占いに興味がなくても、自分の誕生日が何座なのか知っているからです。

ただし自分の誕生日の夜に星座を探してみても、見つかりません。なぜならその星座の近くを太陽が通っているためです。それは昼間の時間帯なので、夜空に見えません。

太陽には通り道があり、決まったルールで天空を通っています。その通り道が「黄道(こうどう)」です。

今回は太陽の通り道、黄道に関して、わかりやすく解説します。

太陽の通り道、黄道

まずは天球について説明しましょう。

夜、空を見上げるとそこには星々が輝いています。夜空はあたかも半球のスクリーンがあるようです。一方、昼間に空を見上げると太陽が明るいため星々は見えませんが、空にはやっぱり半球があるように見えます。

夜空と昼の空のそれぞれの半球を合わせると、地球は巨大な球に取り囲まれているように感じられます。星までの距離はまちまちですが、あまりに遠いため球状のスクリーンがあるように見えるのです。

これを天球と呼びます

地球を中心に考えると、天球のスクリーンに星々が貼り付いているように見え、太陽は1年かけて天球を一周しています。実際は地球が公転しているのですが、地球から見ると太陽が一周しているようです。

この、太陽の通り道が「黄道」です。

黄道12星座

太陽は天球上をゆっくりと動き、1年かけて一周します。

天球には星座が映し出されているのですが、太陽が近くにあると明るくて星座は見えません。しかし太陽の近くにどの星座があるかはわかります。

太陽の通り道にある星座は全部で12です。これらを「黄道12星座」あるいは「黄道12宮」と呼びます。

星座の大きさによって、太陽が通過している時間は変わりますが、便宜上12の星座の前を同じ日数かけて太陽が通過していくと考えます。その日数は約30日で、12個の星座の前を通るのに1年かかるのです。

太陽の通り道に位置する12の星座、すなわち黄道12宮は次のとおりです。

牡羊座(おひつじ座)、牡牛座(おうし座)、双子座(ふたご座)、蟹座(かに座)、獅子座(しし座)、乙女座(おとめ座)、天秤座(てんびん座)、蠍座(さそり座)、射手座(いて座)、山羊座(やぎ座)、水瓶座(みずがめ座)、魚座(うお座)

例えば11月、12月頃に太陽はさそり座やいて座の前を通過しています。ですからこの時期は夜空でさそり座やいて座を見ることはできません。

これらの星座は5月、6月頃に真夜中の夜空に輝いています。もう少し早い時間帯、午後8時ぐらいに見えるのは、7月、8月あたりです。ですからさそり座やいて座が夏の夜空の代表になるのですね。

自分の星座を見たいなら

生活習慣によって星を見る時間帯は違いますが、午後8時、9時あたりに星空を見るとしましょう。自らの誕生日の日には、その時間帯に誕生日の星座を見ることはできません

ではいつ頃、自分の星座が見られるのでしょうか?

それは、ほぼ4カ月前です。

さそり座といて座が見える時期

11月、12月の星座が見える時期は次のとおりです。

10月-11月生まれの星座アンタレスを中心としたS字のさそり座を見たければ、7月頃
11月-12月生まれの星座、いて座の南斗六星を見たければ、8月頃

比較的見つけやすい星座

黄道12宮のうち、比較的見つけやすい星座の時期を示します。明るく目立つ星もあるため、その気になればすぐに見つかるでしょう。

4月-5月生まれの星座、おうし座の昴(すばる)アルデバランを見たければ、1月頃
5月-6月生まれの星座、ふたご座のポルックスカストルを見たければ、2月頃
7月-8月生まれの星座しし座の大鎌を見たければ、4月頃
8月-9月生まれの星座、おとめ座のスピカを見たければ、5月頃
3月-4月生まれの星座、おひつじ座のハマルを見たければ、12月頃

見つけるのが難しい星座

黄道12宮の中には明るく目立つ星がなく、見つけるのが難しい星座もあります。

1月-2月生まれの星座、みずがめ座を見たければ、10月頃
2月-3月生まれの星座、うお座を見たければ、11月頃
6月-7月生まれの星座、かに座を見たければ、3月頃
9月-10月生まれの星座、てんびん座を見たければ、6月頃
12月-1月生まれの星座、やぎ座を見たければ、9月頃

自分の星座なので、頑張って見つけてみてもいいですね。

▼月の位置にも関係?▼

黄道の傾きとは

太陽の通り道である黄道は、天球の赤道から約23.4度傾いています。これは地球の地軸の傾きに由来します。

この傾きがあるからこそ、昼間の時間と夜の時間が変化し、季節を作っているのですね。

日本に四季があるのは黄道の傾き(正確には地軸の傾き)のおかげでもあります。

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