天動説と地動説、あなたはどちらが好きですか?

ガリレオガリレイ

地球が回っていると感じていますか?

地球が回っていることを、私達の日常ではあまり意識できません。むしろ太陽や月や星が空を移動して、天が動いているように感じます。

多くの人は感覚的には天動説がしっくりきます。まして、偉いお坊さんなどから「天動説は正しい!」と教えられたら、信じてしまうのが常識です。西欧では1000年ほど、そんな状態が続きました。

天動説は計算しつくされた説

天体観測のデータが揃ってくると、天動説では矛盾が生じます。その矛盾をなんとか説明してきたのが、その頃の天文学でした。

例えば惑星の動きです。毎日観測していると、時々方向を変えたりします。

天動説は、惑星の動きも全て説明をしていました。いま考えるとかなり無理はありますが、それでも説明が出来ています。

地球を中心に、月、水星、金星、太陽、火星、木星、土星、恒星が巡るのが天動説で、1000年以上も信じられていました。この説に異を唱える人など誰もいませんでした。彼が登場するまでは!

地動説を思いついたけど、発表をすべきかどうか?

コペルニクス(1473-1543)がある時、地動説を思いつきました(実際には、地球が動いていると考える説自体は古代ギリシア時代にもありましたが)。

「天動説だと複雑な動きだけど、地球が回っているとしたら、シンプルに考えられる!」

いわゆるコペルニクス的転回で、およそ500年前のエピソードです。

思いついたはいいものの・・・

コペルニクスは、地球が太陽を周回する惑星のひとつにすぎないことに気が付きました。そのように考えれば、星の運行のデータが全て説明できるのです。この地動説を「天球の回転について」に著しました。しかし、すぐには発表できませんでした。

なぜなら教会や他の人達からの批判が怖かったからです。現代であればSNSで炎上する程度ですが、当時は命に関わる問題でした。

名案を思いついたコペルニクス

迷ったコペルニクスは一計を案じます。彼は、亡くなる直前に自著を出版するようにしました。既に健康を害していたようで、出版して間もなく息を引き取ります。

著者がいなくなり、地動説はあまり話題にはなりませんでしたが、一部の天文学者達は支持しました。相変わらず天動説が信じられていたのです。

ガリレオ・ガリレイ登場

ガリレオ(1564-1642)は、イタリア人の天才天文学者です。発明されて間もない望遠鏡を天に向け、月の表面を観測したり、木星の衛星を発見したりしました。

ある時ガリレオは、コペルニクスの地動説と出会い、感銘を受けました。そして彼は、地動説を世に広めなくてはならないと考えるようになりました。

それでも地球は回っている

教会を始めとする多くの人が、ガリレオが推す地動説に反対します。その様な状況にあっても考えを曲げない彼は、ついに宗教裁判に掛けられました。「それでも地球は回っている」はこの時の言葉ですね(実際に語ったかどうかは諸説ありますが)。

ガリレオは迫害されたまま生涯を閉じますが、その後は地動説が世に広まっていきました。地動説が正しいのですから当然です。やがて教会も地動説を否定しなくなる時代が来ました。

繰り返しますが、天動説は1000年以上も信じられてきました。コペルニクスが地動説を発表し、その後ガリレオ・ガリレイが活躍してからは400年程度しか時間が流れていないのです。それでも、地球は回っています。

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