太陽系にある惑星の数は何個ですか?
答えは8個。
水金地火木土天海 ですよね。
しかし惑星の数は時代とともに変化してきました。今回はその変遷をたどります。
惑星の数が次第に増加
太古、惑星の数は5個でした。
ひときわ明るい金星(ビーナス)、赤い火星(マース)
そして木星(ジュピター)、土星(サターン)、水星(マーキュリー)
肉眼でもはっきり見えます。
地動説で6番目の惑星が
惑星の数が6個に増えたのは、地動説が認識されたからです。
6番目の惑星は・・・地球(アース)
それまでは地球は天体と思われていません。地球は、地動説で惑星になりました。
7番目と8番目の惑星
7番目の惑星である天王星(ウラヌス)を、1781年にイギリスの天文学者ハーシェルが発見しました。
明るさは5.6等星なので、それ以前にも観測はされていましたが、このときに太陽系内の星として承認されました。
天体望遠鏡の進化により正しく観測できたのです。
さらに8番目の海王星(ネプチューン)が、1846年にドイツの天文学者ガレによって発見されました。
天文学は国際協力が進んでおり、海王星の発見にはフランスのプヴァール、ルヴェリエ、イギリスのアダムズなどが関与しています。
9番目の惑星
天王星や海王星の発見に寄与した観測技術の進化は、その後も続きます。
その結果1930年にアメリカのトンボーが、9番目の惑星を発見しました。
あまりにも遠く、他の惑星に比べあまりにも小さいので、冥王星(プルート)と名付けられました。
当時の最新観測技術の賜物です。
冥王星の運命
その後も天体観測技術は進化を続けます。太陽系の姿も以前とは比較にならないほど詳細にわかってきました。
大きな発見のひとつが2003年のエリスです。
冥王星よりもさらに外側の軌道で、直径は冥王星と同等です。
エリスを新たな惑星にするかどうか検討されましたが、入れてもらえませんでした。
海王星の外側に天体が1000個以上も発見されていて、エリスもそのひとつです。
これらは太陽系外縁天体と呼ばれています。これも観測技術の進化のおかげですね。
2006年8月にチェコで開かれた国際天文学連合総会で冥王星も惑星から外されました。エリスと同じ太陽系外縁天体にされたのです。
この時に惑星の数は8個と決まりました。
観測技術は進化し続ける
アメリカの天文学者たちは、冥王星が惑星から外されるのに反対しました。
アメリカ人が発見した惑星がなくなるからです。
観測技術の進化により発見された冥王星は、観測技術の進化により惑星でなくなりました。
しかし名前はいまでも冥王星です。
冥界の王にふさわしい星ですよね。